過去形と現在完了形の使い方 -どう使い分けるのか解説-
過去形と現在完了形。日本語ではその概念がないのでなかなか私たちにとって理解するのが難しいテーマです。
でもちゃんとしたルールがあり、それに基づいて当然ネイティヴスピーカーたちは使い分けているわけです。
それがしっかり理解できればもう過去形、現在Y完了、さらには過去完了だって怖くはありません!
今日は、To FluencyのJack先生の動画を参考にして、勉強していきたいと思います!
過去形と現在完了形の違い 例文から読み取る
早速先生が理解を促すために用意している2つの例文を見ていきます。
過去形 In 2006, I went to Madrid with some friends.
現在完了形 I’ve been to Madrid four times.
まず、一つ目の過去形の文In 2006, I went to Madrid with some friends.からです。
この文では、動作がある時点で行われたという事実(2006年にマドリッドへ行ったこと)が一つわかります。そしてそれはすでに終了済。続いているものではありません。
次に、二つ目の現在完了の文I’ve been to Madrid four times.です。
主語である「私」が人生の中で、4回マドリッドへ行ったことがある。という意味の文です。そしてそれは、過去形の文とは違い’’すでに終了している’’とは言えません。なぜかというと、人生はまだまだこれから先があり、また行くかもしれません。また行かないかもしれませんが、その可能性としては残るわけです。
ですので、完全に’’すでに終了’’とは言えません。
これが、まず一つ目の過去形と現在完了形の違いについてのキーポイントです。
では、より理解を深めるためにもう一度例文を見ていきます。
My grandma never went to Madrid.
「祖母は決してマドリッドへは行かなかった。」という意味の過去形の文ですが、このケースでは、その動作は完全に終了しています。日本語でもこのような文の場合、すでに故人となっており、もう行くことはないんだな。と感じるような文章ですが、英語でも同様なニュアンスの文です。
Paul has never been to Madrid.
この例文は、「ポールはマドリッドへは一度も行ったことがない。」という意味の現在完了形の文です。
ポールはまだ生きているので、これから先行くかもしれません。行かない場合でもその可能性がまだ残っている状態。ですから、現在完了形の方が、自然な表現と感じられます。一度も行かなかったという文がそぐわないのは、まだこれから先に行く可能性があるためですね。
過去形と現在完了形の違い2
過去形には相性のいい言葉があります。
I told her last week.
She went to London in 2002.
He called me two hours ago.
このように、例えばyesterdayといった副詞との相性がとてもよく、過去形と組み合わせることでより詳しい情報を文章に入れ込むことができます。
ただ、これらの副詞(特にいつという情報)の言葉を現在完了形と一緒につかうことはできません。
✖️ I’ve told her last week.
もし現在完了形と組み合わせるならこのような文である必要があります。
◯ I’ve told her a few times this week.
今週何度か彼女に伝えました。という文であれば、自然な文と言えます。this weekがあるので、一見、過去形でしか使えない副詞にも見えてしまいますが、実際は、「今週に数回」という意味で、ある時点というような特定ができません。
過去形を使う場合は、ある時点の一点のポイントで、起こったことや行動の表現ですので、a few times this weekのように’’ある期間’’を表現するためには現在完了形である必要があるんです。
She went to London in 2011. 過去形はある時点の出来事
She’s been to London four times in total. 現在完了形はある期間の出来事
He called me two hours ago. 過去形はある時点の出来事
He’s called me twice today. 現在完了形はある期間の出来事
そして最後に先生からのクイズです。
この2つの文章は正しいか?
I had two cups of coffee this morning.
I’ve had two cups of coffee this morning.
答えは、正しい文章。ただ、ある時間に限って。
I had two cups of coffee this morning.という文章は、午前中が終わっていれば使えます。例えば午後2時とかです。すでに完了した出来事だからですね。
I’ve had two cups of coffee this morning.という文章は、まだ午前中であれば、使えます。それは、まだその行動が終わっていないという理由からです。「ある時点から今までで」2杯のんだよ。という意味の文ですが、まだその数が増える可能性を残していますね。
なるほど。確かに。
今回の内容は、きっと日本人の英語の先生から習ってきた従来のものとは少し異なったアプローチだったかと思います。そしてそれはよりネイティヴスピーカーの使い分けで感じているより実践に近いもの。とても参考になったのではないでしょうか。
ネイティヴスピーカーにとって、日本人が習う現在完了の継続、完了、経験というものは逆に細かい分類すぎて複雑に感じてしまうなんてこともあるかもしれませんね。もう少し実践での使い方に特化した勉強がしたかったなとつくづく思います。
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